農家になるために農業大学校などで研修する場合、
週5日のような専門研修コースなら、仕事との両立は難しく、
どうしても仕事を辞めて、無職になる必要があります。
もし研修期間が1年間あったとすれば、
1年間無収入となるため、国民年金保険料はかなりの負担になります。
経済的に余裕があるなら、
普通に保険料を払っても良いのですが
これから就農するとなると
どこに、どのくらいのお金がかかってくるのか
正直分からない部分があります。
将来のために、できるだけ資金は残しておきたいものです。
国民年金保険料の免除申請について
失業は国民年金保険料の全額免除対象
国民年金保険料の納付が経済的に困難な場合、
前年度の所得によって保険料の納付が免除、または一部免除される制度があります。
特に、失業の場合、前年度の所得が「0(ゼロ)」として扱われるため、
全額免除が受けられる可能性があります。
本人や配偶者、世帯主に所得がある場合は、一部免除となる可能性があります。
全額免除されると、文字通り申請した期間の間、
国民年金保険料が「0」になります。
免除を受けるには申請書の提出が必要
免除を受けるには、
国民年金保険料免除・納付猶予申請書を提出し、
日本年金機構から承認を得る必要があります。
承認結果は、申請後から約2~3か月後に送付されます。
申請書の提出先は、
住所地の市区役所・町村役場の国民年金担当窓口、
または、年金事務所になります。
1枚の申請書で申請できるのは、1年度分(7月から翌年6月)になります。
必要に応じて年度ごとに申請書を提出する必要があります。
また、2年1カ月前までさかのぼって申請できるので
未納がある方はお早めに申請することをお勧めします。
免除を受けると受取れる年金が減る?
国民年金保険料に免除期間があると、
保険料を全額納めたときと比べて、
将来、受け取れる老齢基礎年金の年金額が少なくなります。
これは免除期間中の納付額が、通常納付額の1/2(全額免除の場合)で計算されるためです。
未納の場合は納付額が0となるので、さらに減額されます。
20歳から60歳までの国民年金保険料を全額納付すると
もらえる老齢基礎年金は満額の780,100円(2019年度)となります。
しかし、20歳から60歳までの間に免除期間が1年間あった場合には、
1年間は半額納付したとみなされ、
780,100円 × (39年*12カ月+1年*12カ月*1/2)/(40年*12カ月)
≒ 770,348円
となり、年間の年金受給額が1万円ほど減る計算になります。
追納(後払い)すれば満額支給
免除された保険料は10年以内であれば追納(後払い)することが出来ます。
就農後の金銭的余裕ができた後に、追納するという形がとれ、
将来もらえる年金受給額も満額にすることができます。
ただし、追納する場合、当時の保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされます。
就農するまでの国民年金保険料の支払い方法の例
例えば、3月に会社を辞めて、4月から1年間研修し、就農を目指す場合、
3月から国民年金保険料の納付が発生します。
研修期間の1年間や就農した後の収益を得るまでの間、
収入がないため国民年金保険料の免除を申請します。
まず役所または年金事務所に行って、
相談の上、申請書類を記入し、提出します。
申請には、申請書のほかに、免許証、
退職証明書のコピー、雇用保険被保険者離職票のコピーを持っていきます。
行くタイミングは、厚生年金から国民年金への切り替え時が良いですが
時間がなければ、後日、免除申請のみを相談に行っても良いです。
一番最初に免除申請するのは、会社を辞めた年度分の保険料です。
2020年3月に会社を辞めた場合は、
2019年度の2020年3月~2020年6月分の免除を申請します。
次の2020年度分の2020年7月~2021年6月分の申請は、
2019年度分の免除期間の終わる2020年6月から7月くらいまでの間に
再度、申請書を提出することになります。
申請書を提出してから、だいたい2~3か月ほどで審査結果が送付されます。
審査結果が届くまでの間に、送付されてきた保険料の納付書は、
納付しなくても問題ありません。
無事、2019年度分、2020年度分の免除申請が通り、
翌年2021年4月に就農、資金に目途がついたら、
2021年7月から国民年金保険料の納付を再開します。
特に再開申請は必要なく、送られてくる納付書にて、
国民年金保険料の納付を再開するだけです。(お得なクレジットカード納付)
その後、所得に余裕ができたら
免除期間により減額される年金額を満額にするため、
免除されていた2020年3月~2021年7月分の国民年金保険料を
追納という形で、納付します。
ただし免除された保険料を追納できるのは10年以内です。
追納する場合は、年金事務所で申し込みが必要です。
これで、就農準備の経済的に厳しい期間の保険料納付を避け、
就農後、収益が安定したときにまとめて追納することで、
無理なく国民年金保険料を納付することができます。
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