7月前半に研修で学んだことのメモ書きです。
校内実地研修
①子苗のポット受け
6月に引き続き子苗のポット受け(すくすくトレイ24穴)。
子苗の数は7/13時点で、
とちおとめ(ポット受け)804株
スカイベリー(ポット受け)571株
とちおとめ(ナイアガラ)1070株
i37(ナイアガラ)373株
②薬剤散布
これまでの薬剤散布。
6/8 カウンター殺虫剤(ハスモンヨトウ)
6/22 ベルクート(炭疽病)、サンヨール(殺虫、殺菌)、カリグリーン(うどんこ病)
6/29 ファンタジスタ(炭疽病)、カリグリーン(うどんこ病)、テデオン(ダニ)
7/10 ファンタジスタ(炭疽病)、プレバゾン(ヨトウムシ)、スターマイト(ダニ)
7/13 ストロビーウロアブル(炭疽、うどんこ)、コロマイト(ダニ)、チェス下流水和剤(アブラムシ)、カリグリーン(うどんこ)
上記、農薬に展着剤と葉面散布用液肥をプラスして散布。
③管理機、トラクター運転
管理機による畝立てやトラクターでの耕耘を実施。
管理機による畝立ては、畝間の深さが凸凹してしまい、かなり難しい。初めのうちは浅めの耕耘を2~3往復くらいして、形を整えていったほうが良さそう。
④遮光ネット、屋根散水の設置
育苗ハウスの暑さ対策のため、天頂に遮光ネットと散水チューブを設置。
⑤スカイベリー(ナイアガラ方式)挿し苗
農業大学校の生徒さんが、ナイアガラ方式で育てたスカイベリーの子苗を使って、ポット挿しを体験。
すくすくトレイ24穴に、ランナーを指の第一関節くらい残してカットして、切り口を穴の中心に挿して固定するスタイル。
講義
①屋根散水
育苗ハウスにてハウスの天頂から散水チューブを使って散水し、気化熱によってハウス内の温度を下げる方法。
近年の気温上昇に伴い、ハウス内の暑さを和らげる方法が必要となっている。
屋根散水に遮光ネットの組み合わせると効果がさらにあがる。
②スカイベリーについて
とちおとめと比べると、25g以上の大果が67%(とちおとめは18%)あることから、花数は少ないが、収量は多くなる傾向。
とちおとめが生食向きであるなら、スカイベリーは贈答向け。
多肥や低温でまだら果等の障害果が発生するため、元肥は少なく追肥重視。厳寒期は保温を徹底。
③花芽分化について
親株から切り離した子苗を花芽分化させるには、子苗を低温、短日、低栄養(窒素)の環境に置く必要がある。
花芽分化をしたかどうかは、実態顕微鏡を用いて、いちごの生長点を確認して判断する。
いちご生長点における花芽分化のステージは、【未分化】→【肥厚初期】→【肥厚中期】→【肥厚後期】→【分化期】→【ガク片形成期】→【雄ずい形成期】→【雌ずい形成期】→【花】の順を経ていく。
一般的に肥厚中期、肥厚後期、分化期が定植の適期と言われ、いちごの生長点を確認して、このステージであった場合は直ちに本圃への定植を実施する。
最初の花芽(頂花房)は低温、短日、低栄養の環境を作って、意図的に分化させるため、収穫時期を調整しやすい。
2つめ以降の花芽(腋花房)は、自然分化となるため、調整しづらい。
収量をあげるには、花房に着く花数や腋花房をどれだけ増やせるかによる。
④農業経営の基礎①
農産物の販売と生産についての講義。
利益を出すために、販売方法を考える。(売ることを考えて作る)
①安いものを大量に売る:低コストが必須。薄利多売。農協出荷。
②高くても価値あるものを売る:価値を理解してもらうための情報発信、技術力
何を・誰に・どのように売って、それを継続させる仕組みを構築できるか。
自分で売るときのポイント
・コンセプト:強みは何か、どう使うか
・ポジション:競争相手は誰か、弱みをどうするか(差別化)
・コミュニケーション:価値を理解してもらう(情報発信)、お客を理解する(情報収集)
⑤農業経営の基礎②
経営計画の考え方についての講義。
PDCAサイクル(計画→実行→評価分析→修正行動)
【計画の立て方】
1.目標の設定
・経営の目標:技術→品質、コスト→売上→利益→社会への還元
・生活の目標:所得、余暇時間
2.前提条件の整理
・外部環境:作目の収益性(消費動向、産地動向、土壌、地形、気象)
・資源の制約:作目選択の可能性(使える経費、労働力、土地、機械、技能レベル)
3.代替コースの決定
・作物・家畜の種類・作型
・技術体系(得られる利益と必要な資源)
4.代替案の評価(試算)
・資源制約下で可能な組み合わせは?必要要件を満たす組み合わせは?
5.代替案の中からコースを決定
・利益の最大化
・生活の満足水準を満たすもの
6.実施計画の作成
・部分計画
>土地利用計画
>作業計画
>販売計画
>人事・労務計画
・部門計画
>価格設定
>コスト設計
>損益分岐点
・全体計画
部門計画および部分計画の調整・統合
戦略:・何を優先して考えるか
・何を武器にするか
・戦場はどこで敵は誰か
現地実習(農家実習)
①親株から子苗切り離し
土耕栽培の親株から、ランナー(子苗)切り離し。
切り離し前に、子苗の下の土を軽く起こしておくと、取りやすい。
②子苗の切りそろえ
親株から切り離した子苗をポット(すくすくトレイ)に挿しやすいように切りそろえる。
伸びた根っこは3cm、ランナーは5cm位に切りそろえる。
葉っぱは2~3枚に葉かきする。
③子苗のポット挿し
切りそろえた子苗をすくすくトレイ35穴に挿す。
細い木べらのような棒を使いポットに穴をあけ、そこに根を挿し、土を寄せ入れて、ランナーピンで固定する。
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