イチゴ研修で6月にやったことまとめ

とちぎ農業未来塾
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6月に研修で学んだことのメモ書きです。

校内実地研修

①育苗棚作り&トレイ培土詰め

アルミパイプをパイプカッターやジョイントを使って、高さ1mほどの育苗棚を作成しました。

育苗棚には、すくすくトレイ24穴を乗せ、親株ベンチから伸びるランナーを受けていきます。

すくすくトレイは使用する前に消毒(イチバン:希釈倍数1000倍)し、よく乾かしてから、培土を詰める。

子苗受け用のすくすくトレイに使用する培土は窒素分のない栃木エース。

ちなみに親株プランターの培土はパーム培土。(置き肥にマイクロロングトータル70)

子苗用に窒素分のない培土を用いるのは、親株から切り離し後に窒素切りの調整ができるように。(与える窒素分を少なくすることで花芽分化しやすくなる)

切り離しまでの必要な窒素分は、液肥、葉面散布または親株からランナー経由で吸収させる。

未来塾の育苗方法は、このポット受けのほかにナイアガラ方式の育苗もしている。

②子苗のポット受け

親株から出る子苗をポット受けする。

太郎苗(ランナーの一番初めにつく子苗)は老化苗になりやすいため、太郎苗はポット受けしない。

1つの親株から20~30の子苗を取る予定。

③薬剤散布(混合散布)

農薬の剤型は、粒剤(水で薄めないタイプ)、乳剤、水和剤。

動力噴霧器を使って、水で薄めるタイプの乳剤、水和剤を使って農薬散布した。

いちごに使われる主な農薬は殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤。

これらを混合して散布することができる(ただし混合できないものもあるので、薬品の注意書きをよく読むこと)

農薬散布時には、葉の表面に薬剤を付着させる働きのある展着剤も混合する。

また養分要素のある葉面散布剤を混ぜることも可能。

混ぜる順番は、展着剤→乳剤→水和剤(それぞれの頭文字をとってテニスと覚える)。

葉面散布剤を混ぜる場合は一番最後。

薬剤の用法用量は必ず守る(使用対象、希釈倍数、散布量、使用回数)。

除草剤や調整剤はppmレベルで反応するため同じ動力噴霧器を使用してはいけない。

使用した薬剤メモ:ベルクート、ファンタジスタ、カリグリーン、サンヨール、テデオン、カウンター、液肥2号、トミー液肥ブラック

講義

①土づくりと施肥

堆肥は地力(地力窒素)を高める。C/N比を見る。

主な堆肥のC/N比は、牛糞堆肥→豚糞堆肥→鶏糞堆肥の順に低くなる。

C/N比の大きい牛糞堆肥や稲わら堆肥は地力窒素の発現に有効。

地力窒素を維持するために、有機物を含む堆肥の施用は毎年行う必要がある。

定植までの施肥は、①堆肥+苦土炭カル、②化成肥料の順に行う。(①と②は1週間以上あける)

堆肥にも窒素リン酸カリが含まれているので、化成肥料を施用する際には、その分を減肥する。

②とちおとめについて

ランナーの発生時期は「女峰」と比べると遅い。発根が認められるのは本葉が2枚程度になってから。

とちおとめの花芽分化期は、平地育苗では9月25日頃。

早期夜冷育苗(8月上旬処理開始)では夜冷処理後26~27日で花芽分化する。

普通夜冷育苗(8月下旬処理開始)では夜冷処理後20~22日で分化期に達する。

③いちごの追肥について

基肥は吸肥や流亡でなくなっていく。

追肥の種類は

①置き肥:灌水によって溶け、根から吸収させる

②液肥:液肥混入機によって潅注し、根から吸収させる

③葉面散布:動力噴霧器を使用して、葉から吸収させる

④苗の取り方(採苗)

ポット受け:親株からランナーを切り離さず、子苗をポットまたはトレイなどに受けていく方法。

ポット挿し:親株プランターを高い位置に設置し、ランナー子苗をすだれのように伸ばす。子苗の数がそろったらランナーを切り離した後、ポットやトレイに苗を挿していく。

挿し苗の挿し方には、「へそ挿し」、「ストロー挿し」がある。

⑤土壌消毒について

土壌消毒は主に、萎黄病といちごセンチュウ類の防除に行われる。

⑥ハウス暑さ対策

1.裾換気+肩換気

2.遮光ネット

3.ハウス天頂からの散水

4.循環扇

⑦いちご炭疽病について

カビによる病気で、コレトトリクム・アキュテイタムとグロメレラ・シングラータという種類がある。

感染した株は、ビニル袋に入れて密封し、ハウス内に置いておけば暑さで死滅できる。

その後、畑から離れたところへ処分する。

【対策】

1.親株床の土壌消毒

2.潜在感染の親株を植えない

3.予防散布(exp. ベルクート)

4.葉かき後or大雨後の予防散布

5.育苗床のマルチ(防草シート)

6.資材(トレイ、挿しピン等)消毒

7.罹病株の除去

8.窒素を控えめにする(液肥で追う)

現地実習(農家実習)

①収穫後本圃の片づけ

本圃のマルチはがし。

サイドのウォーターカーテン用戸井の撤去(劣化による取り換え)。

ハウスの妻面はずし(トラクター耕耘のため)。

灌水チューブの撤去。

②農業用廃プラスチックの回収

農業用廃プラスチックの回収に同行させてもらいました。

農業用の塩化ビニルやポリエチレン類は、産業廃棄物にあたるため普通には捨てられません。

年に1回?、農業用廃プラスチック等の回収が各地域で行われるので、その日に廃品を回収してもらえるので、準備をしておきます。

廃品にはお金がかかり(70円/kg)、その金額は増加傾向にあります。

③次年度持ち越し内張ビニルの収納

内張ビニルを天頂まで巻き上げ、遮光シートで覆います。

遮光シートはハウス内の高温により、巻き上げた内張ビニルが張り付くのを防ぐため。

④ウォーターカーテン用直管パイプの取り換え

古いウォーターカーテン用の直管パイプを新しいものに交換しました。

直管パイプの長さは基本5mとのこと。

パイプを伸ばす際は、継手(ソケット)を使い、接着剤を継手側から塗ります。

⑤本圃の土壌消毒

前作の畝を壊し、耕耘した後、灌水チューブを使って圃場全体を湛水します。

この湛水は消毒液が圃場に均一に浸み込むように行われます。

湛水完了後、2、3日後、土壌病害虫薬剤(ディ・トラペックス)を注入し、ビニルで被覆します。

被覆ビニルは裾に土をかぶせて、中が密閉されるようにします。

その後25日以上は密閉状態を続けます。

⑥すくすくトレイへの培土入れ

すくすくトレイを消毒し(薬剤:イチバン)、培土を入れます。

トレイへの培土を多めに入れることで、

根張りを良くしたり、水の毛細管現象で灌水ムラが改善されます。

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